伺か・伺的 [第2会場] Advent Calendar 2024によせた記事です。
前日は、ぽなさんによる「伺かの未来について:ラーシェ談」でした。
ぽなさんではなくてラーシェちゃんが執筆したようなものでは?
ぽなさんにつきましてはアドカレー第1会場が埋まったとたんにおかわり!を出した責任を取って20日分くらい記事を量産してください
それでは。
このページではキャラクター作って設定も練ったのにただ設定を押し付けてくるだけで魅力的じゃないのだが?とならないように気を付けることなどを雑多に書いていきます。
結論を三行で書きます。
キャラクターの魅力は見て触って10秒もしないでわかる程度に単純化しよう
表に出す設定はあくまで興味を持ってもらってからのエンドコンテンツにしょう
表に出さない設定はたくさん作ってたくさん死蔵しよう
キャラクターの設定を分類しよう
積極的に伝える情報、伝えてはいけない情報、伝えようとはしないけどうっすらと推測できるようにする情報、これらに分けます。
うちのゴースト「ヘイミル・ロゥ」(以下へーちゃん)を解剖台の上にのせます。
・伝えて良い情報:おさけ、詩、長命種故の憂い
・伝えない情報:過去にいた将来を約束した存在(女)の話とかそういうあまりにもプライベートだったり人生観を作った昔の強烈な出来事に関する設定
・伝えるつもりはないけどうっすらと推測できる情報:どこに住んでるの?仕事なにしてるの?てか神様なのw?何歳?
これらを分けると後述するコンセプトや魅力の切り分けが楽になります
設定を作る過程は長くなるので後述
キャラクターの設定と魅力は別のもの
ではなにを伝えたら魅力的になるのか?
わかりません。俺たちは雰囲気でキャラクターを作っている……
ソシャゲやVTuberでも無限に研究されてますが
・サムネを見ただけでわかるのが理想
・人間は新しい概念を把握するのが苦手
・人間は基本的に既存の人口に膾炙した概念を利用して把握する
辺りを押さえておくといい……かも?
定期的にキャラデザもパラダイムシフトが発生してウワァーってなるのでナンモイエナイ……
キャラクターイラストにまず魅力があるのを前提として、
へーちゃんの場合は
「酒飲んでだべってる憂いをおびたどらごんのおねーさん」って良くない?
カナドメさんは
「毒きのこを食べてゲロ吐くアグレッシブなケモミミの女の子」はかわいい
とかまで単純化してます
極論へーちゃんでは、キャラデザかわいい~とか、酒飲んでるどらごんいいよね……が伝わればよしとしています。
そこから立たせてくれたユーザに伝える情報(ランダムトーク)として詩、おさけ、憂いをたくさん伝えるし、
ゴーストとしての面白さとしてだんだん透けてくる素性とかをそれとなく混ぜていったのがへーちゃんになります。
それとなく伝える設定の伝え方を練ろう
前提としてこういうのは物好きしか読み解かないのでスルーされるものだと意識しておく。
実はへーちゃんの世界には月が2つあります。(別に重要な情報ではない)
50個あるランダムトークのうちの1つだけ、月が照らしてる様を詠んだ詩を入れてみる。
その詩で月を指して「双月」と言わせてみたらどうなるだろうか。
意識してなかったらスルーするけど、目ざといユーザはもしかしたらへーちゃんの世界では月が2つあるのか?となってうれしい。
けれどもここで、「ほらあれ見て!双月、うちでは月が二つあるんだ!」というトークを作るとわざとらしさと説明っぽさでマイナス1億点。
それを改善するために、キャラクターが知っていることと知らないことを決めます。
キャラクターは空を見上げれば月が2つあることは知っている。
ではユーザが空を見上げればどんな光景が広がっているのかは?
キャラクターとユーザが見上げた空に違いがあることを知らないとすれば?
地球人が夜空を見上げたときにわざわざ月の数を数えないように、月が2つある世界に住んでるキャラクターも夜空を見上げたときに月が2つあることを意識しないよね?……と練っていきます。
ついでにブラフとして主題を月ではなく農作業に関するトークにしたりと小賢しい真似をして、
こうしてできたトークが
‘\0\s[0]南山のふもとに豆を植えたが、\w9\s[21]\n畑には雑草がはびこり、\w9\n豆の苗はとても情けない状態となってしまった。\w9\n朝早くに起きて雑草を抜いてまわり、\w9\n双月の光を浴びながら鋤を担って帰ろう。\w9\w9\n…\w5…\w5 %(username)はなにか育ててる?\e’
理想を言えば双月という言葉も使いたくなかったけど、「月たち」だと流石に月と星の光としか捉えられないだろうなと妥協したりしました。
このようなことには長所と短所も当然あります。
長所:ユーザの想像力を一旦嚙ませるのでユーザの中で勝手に補正されたユーザ好みの解釈が産まれる。作者が決めきっていないどうでもいいことをユーザが勝手に決めたりスルーしてくれたりする。
短所:重要でかっちりした設定を提示するには不向き
なぜこのような面倒くさいことをするのか?それは
キャラクターとユーザの間に知識の勾配がなくなると人は興味を失う
からです。
つまり
・伝えて良い情報をたくさん用意してたくさん伝える
・伝えてはいけない情報を少し用意して徹底的に秘匿しつつ行動原理などに流用する
・伝えても良いけど、伝えようとはしない、うっすらと推測できる情報もある程度用意する
ことが大事になってきます。
へーちゃんで具体例を出すと
・伝えて良い情報:おさけ、詩、長命種故の憂いをたくさんランダムトークにする
・伝えない情報:過去にいた将来を約束した存在(女)の話とかそういうあまりにもプライベートだったり人生観を作った昔の強烈な出来事に関する設定を行動基準などにするけど決して語らない
・伝えるつもりはないけどうっすらと推測できる情報:どこに住んでるの?仕事なにしてるの?てか神様なのw?何歳?
これでもう今回言いたいことは全部述べました。
おつかれさまでした。伺か・伺的アドベントカレンダー 2024 おかわり 完
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以下は変に具体的だったり推敲すらされていない文章なので読まなくていいです。
Q.オリジナルのキャラクターを作るときどうしてる?
A.どうって……モチーフ決めてキャラデザ決めて書くだけだが?
まず前提となる要素を決めます。
依頼とかで最低限擦り合わせなければならない前提を今クリアしにいく感じで。
女の子!足の長い女の子!つのかケモミミが生えてる女の子!できれば長命種っぽい種族!
絵師なのでデザインが先にできます。できない場合はスタンドガールR+などを無限につついてください、楽しいですよ。
それでもできない場合はPixivやTwitterのブクマ欄を眺めて要素を抽出しましょう。自分の好きな属性やタグが見えてきたらそれを全部乗せして描くなり組み合わせてください。
自分の場合はアークナイツと白髪のお姉さんとドラゴンガールと中華圏の神絵師の絵で埋まってました。
つまり白髪のドラゴンガールを中華圏の神絵師やアークナイツっぽく描けばキャラクターができるんだよ!!!!
中華圏の神絵師っぽいとはなにか?を分析して、七頭身八頭身で背が高くて肩が細くて胸がでかくて腰が細くておしりがでかいこと、
アークナイツの要素とはなにか?を分析して、下品だったりえっちすぎたりせず、それなりにちゃんと着込んだファッションとつのしっぽケモミミと解釈しました。
全部混ぜると……
できた!
さくっとキャラクターの属性や役割や環境設定を作る
先に自分の世界の歴史とか、小説にするならどんなジャンルにするかとかふわっとあると楽だと思います。自分はSFと中国史が好きなのでそれで適当に作ります。
適当に列伝を捏造しながら作るだけなのですが……
”輝く鱗の”ヘイミル・ロゥ
肌の冷たい者達が一人、”輝く鱗の”ヘイミル・ロゥ
観測される範囲においては、現時点において最も長く生きている竜族の女性とされる。
神代のものとされる伝承には、言語と農耕の神や鱗林将軍として度々登場するがどれも原本が散逸しており、その経歴は想像の産物だとされている。
昔日のおりには県令などを務め、その仕事ぶりは開明的でそれなりの有能と評されたが守旧派とのいざこざを御しきれず隠遁した。その後は南山付近でたまに酒を買い込んでいる様子が目撃されている。
本人も忘れているが、かなへびの親戚、とかげの遠戚
ここは中二病時代にみなさんが作ったノートのように設定やら属性を盛るだけなので存分に盛ってください。
完璧超人を作ってもつまらないとかそういう感性は、ほかの作品の好きなキャラクターはどこが好きなんだろう?とか分析すると養われていくような気がします。
困ったら死に様とか表舞台からの退場の経緯を描くといいと思います。
順風満帆の人生だったけど落馬して死んだとか、渡河中に溺死したよとか、謀反を企てて処刑されたよ。とか。
理想の死に様をメモってコレクションしましょう。
そうすると列伝の中で物事が動いてると思うので、それに至る経緯や動機とかを考えていきます。
近い出来事や元ネタがあると楽ですね、落馬だったら慕容皝とか藤原実方とか、渡河中の溺死だったらフリードリヒ1世とかランゴバルドのあの人とか、そんな感じに。
それらをもとに性格や内心や思想をなんとなく詰めていきます。
もちろん好みで絶対に外せない要素とかあったら真っ先に入れます。
へーちゃんだったら
基本的に友好的、やや現代的な死生観、無能ではないがとびきり優秀でもない、押しに弱そう、外せない要素:酒好き、とかそんな感じに。
そしてイラストに戻ってもう一度眺めて細部を整えたり
列伝を作り直したり、列伝に登場するかもしれない他人の詳細を決めたり(例えば最終的に処刑される人なら、処刑を実行したのはどんな人?関係性?とかを詰めていく)、
へーちゃんが人間に友好的なのはなぜ?とか、優秀でもないのに神様やれるのか?とか、酒好きになった経緯とか、酒好きで隠遁するなら絶対に外せない元ネタになる歴史上の人物がいるよね……とかざくざく書いていきます。
いっぱいいっぱい膨らませたらできた物語を書きます。
これはへーちゃんの初期案が詰まった草案を発掘してきたものです。
//
ドラゴン(竜族・冷血族)がSF的世界観のもと、氷の惑星を暖めて自分の故郷を作っている。
ドラゴンはコールドスリープを繰り返しながらテラフォーミングに励んでいるのだが、そこで現地生物「人間」と遭遇する。
自分以外の知的生物との遭遇・葛藤、(急激なテラフォーミングを進めると、人間は環境に適応しきれずに死滅してしまう)
氷原を彷徨う怪物から「人間」をたわむれに助けたら神話が生まれて
ドラゴンは神になった
でも神って何?全き奉仕をしたものに報いる存在?どうすればいいの?
科学技術は与えてしまっていいの?
コールドスリープを繰り返してテラフォーミングの終わりを待っているというのに、人間という短命なものに肩入れして「春の訪れ」を待たずに死んでしまってもいいのか?
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始まりだけで力尽きたので当初の列伝の時代までたどり着きませんでした。
でもへーちゃんの性格的には矛盾がないし、このまま続行しても列伝にたどり着くだろうと予想できたので続行します。
設定を作るのは楽しいですね!
今まで苦労して作ったのは設定です。
キャラの魅力も同時になんとなく練られてはいると思いますが、全部まだ設定です。
これだけでは自分の脳内の設定を全て完璧に相手に即座に伝えなければ「なにこれ?」と一蹴されてそもそも伝わりません。
よって今からキャラクターとしての魅力をどうするのか決める段階に移行します。
へーちゃんはもうだいたいの歴史ができたので
どこを切り取って簡潔に伝えるのかを決めます。
どこを切り取るかは最初に書いた列伝から決めるといいでしょう。
”輝く鱗の”ヘイミル・ロゥ
肌の冷たい者達が一人、”輝く鱗の”ヘイミル・ロゥ
観測される範囲においては、現時点において最も長く生きている竜族の女性とされる。
神代のものとされる伝承には、言語と農耕の神や鱗林将軍として度々登場するがどれも原本が散逸しており、その経歴は想像の産物だとされている。
昔日のおりには県令などを務め、その仕事ぶりは開明的でそれなりの有能と評されたが守旧派とのいざこざを御しきれず隠遁した。その後は南山付近でたまに酒を買い込んでいる様子が目撃されている。
本人も忘れているが、かなへびの親戚、とかげの遠戚
なんか前提になる知識が多すぎて全体的にむずかしそうでよくわからないので全部カットして、隠遁したあと酒を買い込んでる時代に焦点を当てます。
「昼間っから酒を飲んでだべってる憂いをおびたどらごんのおねーさんは良くないですか?」
簡単にしました。
これならもう見ただけで好き!!!ってなりますね。
設定を理解する前に好き!!!!ってなるかが重要です。
キャラのイラストに力を入れるのも重要ですね。
まあ、設定を理解してもらったあとに「もっとすき!!!!」ってなってもらうのも重要なのですが、設定を理解してもらうためには先に好きになってもらわないと無理なので……
キャラクターの設定と、焦点を当てることがら(酒、詩、憂い)を決めました。
焦点に当てたことがら以外はとりあえず全部秘匿します。
伺かのゴーストにするなら焦点を当てたことだけでとりあえずランダムトークを作ればいいのではないでしょうかね。
ランダムトークというか伝えていい情報をたくさん用意するには?
作者自身が詳しくなることだ……!!
おさらい
おさらいします。
前提として語られない設定のほうが多い。
設定とキャラクターとしての魅力とゴーストとして伝えたいことは全部別の話だよ。
伝えて良い情報をたくさん用意してたくさん伝える。
伝えてはいけない情報を少し用意して徹底的に秘匿しつつ行動原理などに流用する。
伝えても良いけど、伝えようとはしない、うっすらと推測できる情報もある程度用意する。
となんかいい感じになりがち。
それは何故か?
キャラクターの魅力は見て触って10秒だけでわかる程度に単純化しなければそもそも興味をもってもらえないから。
表に出す設定はあくまで興味を持ってもらってからのエンドコンテンツ
表に出さない設定はたくさん作ってたくさん死蔵すると嬉しい。
(伺かのゴーストはそもそもSNSのサムネやショート動画だけで勝負しないとなソシャゲの新キャラやVの者みたいな地獄のレッドオーシャンとは違って、最初から興味を持って見て触ってくれるので魅力はそこまで単純化しなくてもいいのがいいよね……)